- 2006年のアメリカで大量のミツバチが消えた現象には、ある農薬が関係していると明らかになっている
- これが生態系をも脅かすものとして社会問題となり、世界的にその農薬の使用を規制または禁止する動きとなっている
- しかし、日本ではこの農薬に対する規制が存在していない
目次
ミツバチの大量死とネオニコチノイド系農薬の関係
国内外でミツバチの失踪や大量死のニュースを耳にしたことはありませんか?
アメリカでは2006年にミツバチが急にいなくなる現象が報告されました。
これは女王蜂と幼虫、さなぎを残してほとんどの働きバチが突如姿を消してしまうという現象で蜂群崩壊症候群(CCD)と名付けられました。
蜂群崩壊症候群(ほうぐんほうかいしょうこうぐん、Colony Collapse Disorder, CCD)とは、ミツバチが原因不明に大量に失踪する現象である。日本では「いないいない病」(「イタイイタイ病」と「いないいないばあ」がかけられた造語)という別名で紹介される場合もある。ヨーロッパ、アメリカ合衆国、日本、インド、ブラジルなどで観察されている。フランス政府は農薬の成分とこの現象の因果関連を踏まえて一部の農薬を発売禁止にした。
これにはネオニコチノイド系農薬が関係していると近年明らかになってきています。
ネオニコチノイド系農薬とはタバコに含まれるニコチンに似た物質を主要成分とする農薬の総称で、1990年代に登場し、殺虫剤などの用途で使われています。
ミツバチがネオニコチノイドに少しでも曝露すると、脳の働きが狂い、方向性を失い、巣に戻れなくなってしまうと考えられています。
ネオニコチノイド系農薬に対する各国の対応
欧州連合(EU)では2018年に欧州食品安全機関(EFSA)がネオニコチノイド系農薬のリスクが高いと発表し、その後欧州委員会はネオニコチノイド系農薬の成分3種(イミダクロプリド、クロチアニジン、チアメトキサム)の屋外使用の禁止を決めました。
なお、フランスではネオニコチノイド系農薬全種類が使用禁止になりました。
現在その他の国にも使用禁止、規制強化が波及しています。
有機農業ニュースクリップより引用
一方、日本はどうでしょうか?
日本ではネオニコチノイド系農薬に対する規制はありません。
日本においてネオニコチノイド系農薬は主に稲作で使用されます。
このため、ネオニコチノイド系農薬のリスクに危機感を抱いている日本の養蜂家達は農家がネオニコチノイド系農薬を使用している間、ミツバチ達を別の場所に避難させるなどの対策を取っているのです。
まとめ
今日はミツバチとネオニコチノイド系農薬の関係についてお話しました。
この問題は日本においても非常に危機感を抱くべき問題です。
ネオニコチノイド系農薬はミツバチだけでなくその他の虫にも影響を及ぼし、さらには人間を含め生態系全体への影響を及ぼしかねません。
世界各国の動きを踏まえても、ネオニコチノイド系農薬の使用に対する対応は一刻を争うべきです。
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