- 1匹のミツバチが一生で集めるハチミツは、たったスプーン一杯
- ミツバチは一回で自分の身体の重さの半分もの量を集めてくる
- 働き蜂はすべてメスで、雄のミツバチはほとんんど何もしていない。
ミツバチが一生で集めるはちみつの量はたったスプーン一杯分と言われているのをご存知ですか?
今日はミツバチたちがどんな風にはちみつを集めているか、ミツバチたちの生活についてなどご紹介します。
目次
ミツバチが生涯で集めるはちみつの量
一匹のミツバチが生涯で集めるはちみつの量は、たったスプーン一杯、重さにするとたった5gだと言われています。
ハニートーストで使う蜂蜜の量でもだいたい大さじ1杯程度(約20g)とですから、私達人間は普段からミツバチたちが頑張って集めた貴重なはちみつを贅沢に使っていることがよく分かります。
働き蜂の寿命は成虫になってからおおよそ30日から40日ほどで、生まれてから20日ほどは巣の中で働いています。
そのため、巣の外で蜜を集めるのは2週間~20日ほどの期間しかありません。
この期間で1匹の働き蜂が集められる花の蜜の量は8gから10g程度です。
しかし、この蜜は蜂蜜ではありません…
このままでは水分が45~70%と多いため、腐ってしまいます。
そこで、持ち帰った蜜は巣の中で働くミツバチたちによって乾燥・熟成させられます。
こうして出来上がったハチミツは集めた約半分、つまりたった4~5gとスプーン一杯分程度になってしまいます。
ミツバチが一度に運べる蜜の量
ミツバチが一度に運べる蜜の量は40mg~50mgと言われています。
働き蜂一匹の体重は90mgですので、なんと自分の半分近い量を運ぶことになります。
蜜を集めに行く前は軽い状態ですが、集め終わったら行く前の1.5倍くらいの体の重さになって約2km飛んで巣まで帰ってくるのですからすごいですね。
この蜜を集める作業を1日にだいたい10往復ほど行います。
それでやっと400mg~500mgほど集めることが出来ます。
しかし、それでもまだ1円玉の半分くらいの重さです。
その蜜を集める作業を2週間から20日続けることで8~10g程度の重さになります。
そんな風に多くのミツバチたちの地道な作業によってはちみつが集められています。
働き蜂の一生
働き蜂の一生は羽化してから30日~40日ほど、幼虫の時も合わせると60日ほどです。
ミツバチは生まれた後に嬢王蜂の候補となるミツバチと、働き蜂になるミツバチとに分かれます。
実際は、王台(おうだい)と呼ばれる場所に産み落とされると嬢王蜂の候補として育てられることになり、ローヤルゼリーなど特別な食事を与えられて大きな身体ととても長い寿命をもつ嬢王蜂へと成長していきます。
嬢王蜂の身体の大きさは働き蜂の倍近くあり、寿命も約3~4年ととても長い期間生きる事ができます。
他の働き蜂はの寿命は40日ほどですから、嬢王蜂の方が30~40倍も長生きすることになります。
繁殖期の巣には1匹の嬢王蜂と、数匹のオスバチと、残りの多くのメスの働き蜂が住んでいます。
卵を生むのは嬢王蜂だけですから、働き蜂もすべて嬢王蜂によって巣穴に順番に産み落とされます。
その後、卵のままで孵化まで3日間ほど、幼虫になって6日間ほど、蛹で12日間ほどと21日かけてようやく成虫へと羽化します。
羽化した働き蜂はまず巣房の掃除係の仕事に就きます。
その後は幼虫の世話係になって餌を与えたり、体を舐めてあげたりします。
女王蜂が近くにいれば彼女の世話をしたりします。
1週間ほどで、外から帰った採餌蜂からの蜜や花粉を集め、花粉団子を作ったり、巣房に蓄えてる仕事をします。
また巣板を作る作業も行います。
2週間~20日ほどで今度は巣箱の門番や採餌蜂として外の世界へ飛び出していきます。
このように働き蜂たちは経験値がアップするたびに複雑な仕事をこなす、という人間のような統一された社会構造をもっていることが分かります。
採餌蜂になった働き蜂は中の仕事はほとんどしなくなりますが、
例えば外敵から襲われ、「内勤」の蜂が少なくなったら採餌蜂が幼虫の世話をしたり、
また逆に「外回り」の採餌蜂が足りなくなった場合なども臨機応変に対処します。
蜜を集めてくる作業は力仕事ですが、実はベテランのおばさま達によって行われているんですね。
働かない雄のミツバチ
働き蜂はすべてメスの蜂ですが、繁殖期の巣の中には雄のミツバチも約1割ほど生活しています。
彼らが何をしているかというと、実は、交尾に出かける以外は巣の中でブラブラしているだけで何もしていないと言われています。
オス蜂は働き蜂よりも少し大きいですが、嬢王蜂よりは小さいくらいの大きさです。
オスバチは交尾のための生殖器はありますが、針もありませんので戦ったりということもしません。
およそ1ヶ月~1ヵ月半ほどの生涯のうち、することと言えば交尾場所に行って、女王蜂を追いかけるくらいで、
巣箱の中では働き蜂から餌をもらうか、自分で蜜房へ行って蜜を吸うほかはうろうろと走り回っているか、毛づくろいをしてる…というくらいしかしません。
つまり、交尾以外には本当に何もしていない、ということになります。
そんなオス蜂ですから、働き蜂のメスからは疎まれて、羽をかじられたり、追い掛け回されたりとかなりの邪魔者扱いをされています。
その上、結婚の時期を過ぎたオス蜂は、巣箱の中にいる必要はなくなるので、餌をもらえず、働き蜂によって追い出されてしまいます。
また交尾に成功したオス蜂もメスのミツバチが針を指した時と同様に自分の体から外れてしまいますので、やはりそのまま死んでしまいます。
ミツバチは女性社会で成り立っているんですね。
まとめ
いかがでしたか?
今回はミツバチが一生で集められるはちみつの量がたったスプーン一杯ほどしかない、ということや、ミツバチたちの暮らしについてご紹介しました。
多くのミツバチたちによって集められたはちみつだと思うと、いつも食べているはちみつにも感謝の気持ちが湧いてきますね。