- はちみつには医薬的な副作用はない
- 食べすぎた場合には健康上のデメリットもある
- アレルギー反応を起こす人もいる
はちみつには医薬的な副作用はないので心配はいりません。
しかし、副作用はないものの、食べすぎによるデメリットはありますし、アレルギー反応によるアナフィラキシーショックなどが起こる場合もあります。
また、一歳児未満の幼児が誤って食べてしまった場合は命に係る場合もあるため注意が必要です。
今回ははちみつの副作用や食べすぎた場合のデメリットなどをご紹介していきます。
目次
副作用について
副作用とは、「薬を飲んだときに、薬の効果(主作用)以外の症状が出ること」を言います。
薬以外のものでも思わぬ効果が出たときには副作用と言うことはありますが、風邪薬を飲んで眠くなったなどの有害な作用以外も副作用の一つとされています。
このように多くの薬には副作用があります。
はちみつも実際に第三類の医薬品として販売されているれっきとした薬の一つです。
一般名 ハチミツ
(中略)用法・用量(主なもの)
矯味の目的で、又は丸剤の結合剤、栄養剤として調剤に用いる
また、皮膚・粘膜の保護剤として用いる日経メディカル 処方薬辞典より引用
一般的な薬には副作用がありますが、はちみつの副作用の欄は空白となっており、副作用が無いことがわかります。
はちみつは薬としても認められていますが、副作用は無いので安心して食べることが出来ます。
はちみつの食べすぎによるデメリットについて
はちみつを食べ過ぎてしまった場合のデメリットには下痢と虫歯の2つがあります。
はちみつは甘くて美味しい上に、適量を食べれば健康にも効果があります。
そのため、ついつい食べすぎてしまうこともありますが、食べ過ぎてしまうとかえって身体に負担を掛けることになります。
下痢
はちみつを食べすぎるとお腹がゆるくなってしまう場合があります。
はちみつに含まれる「グルコン酸」や「オリゴ糖」という成分には腸内環境を整え、活性化させる効果があります。
それらの成分は腸内の善玉菌を増やしてくれるなど、腸内にいい効果を与えてくれるのですが、もしも摂り過ぎてしまった場合、逆にお腹がゆるくなり、下痢になってしまうことがあります。
虫歯
はちみつは食べすぎると虫歯になる可能性があります。
ただし、それは加工されたはちみつに限ります。
はちみつは殺菌抗菌効果や、はちみつに含まれる糖類が虫歯の原因菌の好むものではないことから、虫歯になりにくいとされています。
しかし、それは非加熱で無加工の生はちみつの場合のみです。
加工されたはちみつには甘くするためにシロップなどが混ぜられているため、ショ糖が含まれてしまいます。
はちみつだからといって食べすぎるとショ糖が虫歯菌の生産性を活発にさせてしまい、結果的に虫歯となってしまいます。
はちみつの適正量は?
はちみつの適正量は平均すれば一日あたり大さじ1杯~2杯と覚えておきましょう。
WHOが推奨している1日の糖類の摂取量は25gです。
世界保健機関(WHO)は3月4日、ガイドライン「成人及び児童の糖類摂取量」を発表した。
概要は以下のとおり。
新ガイドラインは、成人及び児童の1日当たり遊離糖類摂取量を、エネルギー総摂取量の10%未満に減らすよう勧めている。また5%まで減らして、1日25g(ティースプーン6杯分)程度に抑えるなら、更に健康効果は増大するという。
遊離糖類とは単糖類(ブドウ糖・果糖等)及び二糖類(しょ糖・食卓砂糖等)のことで、人が食品・飲料に添加する糖類のほか、蜂蜜・シロップ・果汁・濃縮果汁中に天然に存在しているものをいう。
しかし、これにははちみつ以外の糖も含めて25gです。
はちみつ30gあたりに含まれる糖類は約24gですので、約大さじ3杯にあたりますが、
それ以外のジュースなどの糖類を摂ることを考えると一日あたり1~2杯程度に抑えておくように心がけることが大切です。
どんなものでも食べすぎには注意が必要ですね。
はちみつのアレルギー反応
はちみつでアレルギー反応を起こすこともあります。
アレルギーは、体を守る「免疫」の過剰反応です。
人間の身体には、ウイルスや細菌などの異物が入ってきたときに外敵をやっつけようとする「免疫」が備わっていますが、
これが過剰に反応して攻撃をし過ぎてしまうと、逆にマイナスの症状を引き起こしてしまうのがアレルギー反応です。
はちみつには2種類のアレルギーになりうる成分が含まれています。
1つ目は花粉です。
「花粉が原因」と聞くと、スギやヒノキなどの花粉症が思い浮かぶかもしれませんが、はちみつのアレルギー反応の場合は少し違います。
はちみつには、蕎麦の花やアカシアの花からミツバチが摘んだきた蜜に花粉も含まれています。
そのため、食物アレルギーを持つ人がその食物の花から集められたはちみつを食べると、アレルギー症状が引き起こすことがあります。
他にも、りんごの花やももの花や山芋からの蜜でも同じようにアレルギー症状を引き起こす可能性があるとされています。
蕎麦やりんごやももなどは食物アレルギーを引き起こしやすい食材として消費者庁や関係省庁も通知をしています。
食物アレルギーのある方はアレルゲンとなる花から採蜜したはちみつかどうか注意して食べる必要があります。
2つ目のアレルギーの原因は、ミツバチの分泌物です。
分泌物そのものにアレルギー反応を起こす方は珍しいですが、全く無い訳ではありません。
ミツバチの分泌物が含まれるものにはハチミツ、蜜ろう、ビーポーレン、ローヤルゼリー、プロポリス、蜂の子などがあります。
ミツバチの分泌物そのものにアレルギーが反応している場合は、こういったものが食べられなくなる場合があります。
ただし、加熱すれば大丈夫など個人差もあります。
もしアレルギー症状が出た場合、食べるのをやめて、お医者様に相談することをおすすめします。
また、ひどい場合には全身にアレルギー症状が出るなどして重症化するアナフィラキシ―ショックなどを起こす場合もあります。
アナフィラキシーショックを起こした場合は命に関わりますので、速やかに救急車などを呼ぶ必要があります。
一歳児未満の乳児には命に関わることもある
はちみつには「ボツリヌス菌」と呼ばれる菌が含まれており、それが原因で命に関わることもあります。
そのままでは人体に影響を与えるような悪さをする菌ではありませんが、一歳児未満の乳児の場合、腸内環境が整っていないため腸内で増えてしまい、毒素を出してしまうことがあります。
これを乳児ボツリヌス症と言います。
毒素は非常に強いため、乳児の身体で毒素を出てしまうと命に関わることも少なくありません。
また、ボツリヌス菌は熱に非常に強い菌です。
完全に死滅させるには120度で4分間加熱する必要があり、家庭では簡単に死滅させることが出来ません。
加熱する食品であってもはちみつを加えたものは乳児に与えないようにした方が良いでしょう。
もちろん、1歳以上になればはちみつは食べても全く問題ありません。
腸内環境が整うまでの間、はちみつをあげないように気をつけましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回ははちみつには副作用はないこと、その代わり食べすぎると身体に良くないことなどを説明しました。
どんなものでも食べ過ぎは身体に毒になってしまいます。
食べる量の目安は1日大さじ1~2杯、ということを覚えて美味しくはちみつを食べましょう。